夫の不倫相手に慰謝料を請求していくための正しい対処法

長年連れ添ってきた夫がもしかしたら不倫しているかもしれないと感じたとしたら。裏切られた気持ちで頭に血が上ってしまい冷静な判断ができなくなってしまうことでしょう。

しかし,奥様!今一度冷静になってください。

以下見ていくような手順をしっかり踏んでいかないと,せっかく高額な慰謝料が請求できたはずなのにうまくいかなくなってしまうことがあります。

本記事では,夫の不倫が発覚した場合にやらなければならないこと,やってはならないことを弁護士が分かりやすく解説していきます。

夫の不倫に悩まされている方は,ぜひガイア総合法律事務所に一度ご相談ください。

1.不倫が発覚した場合にやらなければならないこと

⑴ 不倫相手がどこの誰だか特定する

まずは,不倫相手がどこに住んでいる何という名前の人物なのか特定しなければ話が全く進みません。

 夫が誰と連絡を取っているのか,尾行する等して不倫相手の所在を突き止めましょう。ご自分で探ることが困難であれば,探偵を雇うことも一つの方法として検討すべきです。

 また,弁護士は,弁護士会を通じた照会手続により,不倫相手の住所や名前を調べることができますので,不倫相手の調査を弁護士に依頼することも一つの手です。例えば,不倫相手の携帯電話番号やメールアドレスが判明している場合,電話会社に照会することによって不倫相手の氏名や住所などを特定できる可能性があります。

⑵ 夫が不倫相手と不貞関係にあったという証拠を入手する

 不倫相手を特定したとしても,不倫相手が,その期間は既に別れていたので不貞関係になかった,あるいは,相手方に奥さんがいるなんて知らなかった等と反論してきたとしたらどうでしょう。

 慰謝料を請求する前に,不貞行為の期間や態様を立証するための証拠をしっかりと集めて準備しておかなければ,しらを切られて責任逃れをされる危険があります。

 ですから,弁護士のアドバイスを受ける等して,次のような証拠を準備しておく必要があると言えます。

①メールやLINE等の肉体関係を思わせるようなやり取り
「この間はごちそうさまでした」「大好きだよ」等のメールのやり取りだけでは,夫婦の平穏な共同生活を脅かすような不貞行為があったとは認定しづらいと言えます。

②ホテルや旅館に一緒に宿泊したことが分かる写真や動画

③ホテルや旅館に一緒に宿泊したことが分かる領収書,クレジットカードの履歴

④不倫相手の家に出入りしていることが分かる写真や動画
単に二人で一緒に歩いているところや食事をしているだけの写真では,不貞行為の立証としては弱いと考えられます。

⑤浮気現場を押さえた探偵会社の調査報告書

 上記のように客観的な証拠で不貞行為を立証していくことが非常に重要です。本人の言い分を陳述書として裁判所に証拠提出することがありますが,裁判所において陳述書のみで不貞行為が認定されることはまずありません。

 なお,不倫相手に慰謝料を請求する際の「不貞行為」ですが,離婚原因である不貞行為とは必ずしも一致しません。離婚原因の不貞行為は,配偶者以外の者との間で性交渉又は性交類似行為(前戯,口淫等の挿入を除く性行為)をした場合を指します。

 しかし,不倫相手に慰謝料を請求する場合の理由となる不貞行為とは,妻としての人格的尊厳を侵害する行為を広く含むとされますので,ハグやキスだけでも場合によっては不貞行為に当たると判断される可能性があります。したがって,肉体関係の証拠に必ずしもこだわる必要はないと言えます。

⑶ 不倫相手からとれる慰謝料の相場を見極める

 不倫相手から獲得できる慰謝料額は,不貞行為の期間や不貞行為により離婚することになったか否か等の事情により変化しますが,だいたい100万円弱から300万円の範囲に収まるものと考えて問題ないでしょう。

 そうなると,証拠の収集などの準備や弁護士費用にそれ以上の金額を費やしてしまった場合,慰謝料を請求しても元を取ることができずマイナスになってしまうと言えます。

 弁護士に事前にご相談いただければ,本件でどのくらいの慰謝料額が見込めるかアドバイスをさせていただくことができますので,費用倒れになる危険を回避することができます。

⑷ 離婚の話も一緒に進めていいのか検討する

 夫と不倫相手の間で肉体関係まであった場合,離婚原因があることになりますので離婚を請求していくこともできます。なお,夫は有責配偶者にあたりますので,夫側から離婚の請求をすることはできません。

 離婚を請求する場合,夫から離婚の慰謝料や財産分与等高額な一時金を得られる可能性はあります。子供がいる場合は養育費も請求していくことができます。しかし,離婚した後は基本的には自力で生活していなかければなりませんし,夫の資産状況によってはあまり高額な一時金を望めない場合もあります。場合によっては,しばらく別居して定期的な婚姻費用をもらい続け,その間に自分の生活基盤を整えることにしたほうがいい場合もあります。

 どちらが得なのかは,様々な事情を考慮しなければならないため,ご自分一人で正解を導き出すのは困難であると言えます。離婚問題に精通した弁護士に早急に相談することが望ましいと言えます。

2.不倫相手に慰謝料を請求する際やってはならないこと

 不倫相手に不貞行為の慰謝料を請求する際,次のようなことをしてしまうとせっかくの準備が全て台無しになってしまう危険性があるので気を付けましょう。

⑴ 感情的になって初期の段階で夫に不倫を問い詰めてしまう

 先述した通り,慰謝料を請求できるかどうかは,不貞行為の客観証拠をどれだけそろえられるかにかかっています。

 一度問い詰めてしまうと,夫は,その後警戒して証拠をつかませないように行動してくるでしょう。そうなってしまうと,不貞行為の立証は非常に困難となってしまいます。不倫をしていそうな怪しいそぶりが見えたら,しばらく泳がせてその間に決定的な証拠を集めるようにしましょう。

⑵ 違法な方法で証拠を収集しようとする

 怒りに任せて脅迫をしたり不倫相手の自宅に無断で侵入したりして証拠を収集する等してはいけません。また,夫のパスワードを使って勝手に夫のSNSにログインしたり,夫のSNSにログインするために夫のふりをして不正にパスワードを入手する等したりしてはいけません(不正アクセス禁止法違反)。

 そういった違法な手段で集めた証拠は,裁判所で不貞行為を立証する証拠として認められなくなってしまいます。

⑶ 仕返しに不倫相手の職場に浮気・不倫の事実をばらすことをする

 不倫相手がのうのうと社会生活を送っていることが許せず,不利相手の職場に不倫の事実をばらしてやりたくなる気持ちはわかりますが,それをしてしまうと,逆にこちらが名誉棄損で損害賠償を受ける危険性があります。

 但し,夫が不倫相手をかばい不倫相手の住所について教えてくれないとき等に,やむを得ず不倫相手の職場に慰謝料を請求する通知を送ることは許されます。

⑷ 高額な調査費用を探偵に支払う

 先述した通り,不貞行為を理由として不倫相手に請求できる慰謝料額にはある程度相場があります。

 不貞行為の慰謝料を請求したいと弁護士にご相談に来られる方で,事前に探偵会社に調査料として200万円以上支払っているようなケースがありますが,それでは基本的に大赤字になってしまうと思ったほうがいいでしょう。

 ほとんどの場合,探偵会社の調査費用は,相当因果関係がないとして不倫相手に損害賠償請求することはできません。

⑸ 浮気・不倫相手のことを,実名を出してSNS等で拡散する

 これも⑶と同じですが,不倫相手から逆に名誉棄損であるとして損害賠償請求を受ける危険性が出てきます。

3.不倫相手に慰謝料を請求する際の注意点

 よく誤解されていらっしゃる方がいらっしゃいますが,不貞行為の慰謝料は,不倫相手と夫から二重にとれるわけではありません。

 不貞行為による慰謝料は,不倫相手と夫がそれぞれ全額支払う義務を負っていますが,どちらか一方が支払った金額について他方は免責されます。また,自分の負担部分を超えて支払った者は,その負担部分を超える金額について他方に請求(求償)することができます。このような法律関係を,法律用語で不真正連帯債務関係と言います。

 具体的に金額を出して説明します。不貞行為があったものの離婚に至らなかったような事案で慰謝料の総額が150万円程度だとします。この場合に,妻が事前に夫から慰謝料を100万円もらい受けていたとしますと,不倫相手に請求できる慰謝料の上限は50万円ということになります。事前に夫から慰謝料を一切もらわずに不倫相手を訴えて150万円の慰謝料を獲得した場合は,後日不倫相手から夫が半分の75万円を求償される可能性があります。

 このことを頭に入れておかなければ,思わぬ検討違いをしてしまうことがありますので気を付けてください。

4.不倫相手への慰謝料請求を弁護士に相談するメリット

 いかがでしたでしょうか。ご説明してきた通り,不倫相手に慰謝料を請求するためには,きちんと手順を踏んで検討していかなければ思わぬ失敗をしてしまう危険性があります。

 そういった失敗をしないために,早期に弁護士のサポートを受けることが非常に重要となってまいります。弁護士に不倫相手への慰謝料請求を依頼するメリットをまとめておきますと次の通りです。

①弁護士会照会などの調査手続きにより,不倫相手を特定することができます。

②どのような証拠を集めなければならないか,どういった手段を用いて慰謝料を請求していくべきか適切なアドバイスをもらうことができます。

③慰謝料の相場を見極め,離婚の選択肢も含めてどのように進めるのがいいか方向性を明確にできます。

④不倫相手との交渉や裁判を全て代理で進めてくれるので,不倫被害で精神的につらいとき,手続的負担を軽減することができます。

 ガイア総合法律事務所では,男女問題に力を入れており,離婚案件を含む多数の案件を扱っておりますので,裁判例などを踏まえポイントを押さえたアドバイスをさせていただくことができます。また,どうすれば慰謝料を増額できるか知り尽くしておりますので,適切な交渉で適切な慰謝料を獲得してきた豊富なサポート実績がございます。

 夫の不倫問題に悩まれていらっしゃる方はぜひガイア総合法律事務所までお気軽にご相談ください。どうぞよろしくお願いいたします。

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